Fulcanelli's blog

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100分de名著 ハイデガー「存在と時間」全話視聴

高校1年の時の「倫理社会」の授業の「実存主義」の辺りで教科書にハイデガーは載っていないのに教科の先生がハイデガーについて板書していてノートを取った事だけ憶えている。そのノートは手元に残っていないので、どのような内容だったかは解らない。ハイデガーについては、その後も気になっていて「存在と時間」に挑戦してみた事もあるのだが難解で、とりあえず通読だけしたような憶えがある。
Eテレで「100分de名著 ハイデガー「存在と時間」」が放送されていたので全話視聴してみたら、解りやすかったので、「存在と時間」に再度挑戦してみようと思っている。

メモ

  • Eテレ 戸谷洋志さん

第一回 存在とは何か?

  • 1927 「存在と時間」
  • キーワード 「責任」
  • 既存の西洋哲学を真っ向から批判し問題提起
  • 存在を巡る問題はあらゆる学問の基礎を考えるのに重要な問題
  • 瞬間だけでは存在は理解出来ない。例えば過去
  • 存在の意味を新たに設定する
  • 存在しているモノと存在は違う
  • 〜がある。〜は存在者、「ある」は存在(ザイン)
  • 現存在
  • 人間はどうやって自分を理解しているのか?
  • あなたは何者か?{1.本来性、2.非本来性}
    • 全ての人間が日常では非本来性
    • 責任の問題に繋がる
  • 何かの傍にとどまるもの
  • 世界、暮らしの場、世界内存在
    • 世界が重なる。空気

第2回 「不安」からの逃避

  • 世人: 非本来的な的な生き方をもたらす
    • 世間、空気に近い
    • 無責任、同調圧力
    • 世人が考えるように考える
    • 世人が日常性の存在様式を定めている
  • 現存在(人間)は日常において自分を自分でないものとして理解する
    • 非本来性
  • 何処かから借りてきたもので自分を規制している
  • みんなが作品をどう評価しているか?と言う事を気にしているに過ぎない
    • 「空気など読まずに生きる」「群衆に迎合する事なく我が道を行く」(自由人)と言っている人もまた世人に飲み込まれている
      • 型破りな事が出来るのは型が解っているから
  • 頽落(たいらく)
    • [世間話、好奇心、曖昧さ]
    • 退廃に近い意味
  • 人間は日常的に非本来的にしか生きられない
  • 責任の不在が暴力と結びつく典型的な例がいじめ
    • 「責任は自分にそうさせた世人にある」と言うロジックが働き自分を正当化
  • アイヒマンの無責任
  • インターネット上の誹謗中傷
    • 「みんなに便乗しただけ」という無責任さが潜んでいる
  • 「恐怖」と「不安」の違い
    • 「恐怖」には対象があるが「不安」には明確な対象や理由が無い
  • 世人に同調すれば安心できるが、それは真の安らぎでは無い
  • ハイデガーが安らぎの反対(対義語)として捉えているのは不安ではなく世人の中に飲み込まれていく事
  • 世界内存在(自分)が不安の源泉

第3回 本来性を取り戻す

  • 自分の死は誰とも交換出来ない
  • 死と向き合う事によって自分を唯一無二の存在として理解する
  • 死は確実にやってくるが何時か解らない
  • 先駆
  • 災害に直面した時
  • 良心の呼び声
    • 私には別の生き方もできたはずだ。私は別の存在でもありえたはずだ。
    • 良心はひたすら黙しながら呼びかける
      • 具体的な手がかりは何も語ってくれない
  • 本来的な自己
  • 決意性
    • 鎖を断ち切る、鎖から解放される
  • 意志
  • 先駆的決意性
  • 自分の人生を自分の人生として引き受ける
  • 「引き受ける」とは他人のせいにしない事
  • 不安の中で生きていたいと思うのが決意性
  • 負い目ある存在可能:私が私であるという事を負う
  • 未来に向けて過去を引き受ける
  • 「存在とは何か」という議論がこれから始まりそうだと予感させるところで「存在と時間」は終わってしまっている
  • 未完成な本によって、その後の哲学の行く末を完全に決定

第4回「存在と時間」を超えて 視聴

  • 「存在と時間」が刊行された当時のドイツの話
  • 1933年4月 フライブルク大学の総長に就任
    • 5月17日「ドイツ的大学の自己主張」
  • ハイデガーの目的は哲学的理想の実現
    • 自分が属している民族や国家のさだめを理解する事によって学問の本質に迫る
  • 1933年4月 フライブルク大学の総長を辞任
  • 1976年 他界
  • 弟子達によるハイデガー批判
    • ハンナ・アーレント
      • 「存在と時間」の他者との関係を批判
      • ハイデガーは全ての他者を「世人」として一括りにしてしまった
      • 「存在と時間」は「原子化された自己」(孤独)が人間らしい生き方としている
      • 応答
        • 複数性
        • 共通感覚
      • 「私」とは他者と関わりあう、語りあう事で明らかになる
    • ハンス・ヨナス
      • ハイデガーの「決意性」を批判
      • 良心は私にとって何が正しいか?間違っている事か?を教えてはくれない
      • 「存在と時間」は倫理の視点が欠けている
      • 応答
        • 責任とは他者の生命を守る事
    • ハイデガーは流されない弟子を育てた
  • 本来性を取り戻した現存在がどのように他者と関わるか?


NHK 100分 de 名著 ハイデガー『存在と時間』 2022年 4月 [雑誌] (NHKテキスト)

中公クラシックス 存在と時間I