Eテレで視聴。
解説は山本芳久さん。
100分de名著は解りやすく、「ニコマコス倫理学」を読む入り口にはなると思う。毎回メモを取りながら視聴した。
第4回の「友愛」については参考になった。世間では案外《有用性に基づいた友愛》が多いのでは無いだろうか?趣味で繋がっている関係は、《快楽に基づいた友愛》と《有用性に基づいた友愛》が絡み合っているような感じがする。
メモ
- 第1回 倫理学とは何か
- 義務論的倫理学 カント
- 幸福論的倫理学 アリストテレス
- 皆が目指す善
- 最終的な目的は幸福
- 目的の連鎖 目的→手段
- 「幸福になる」という事は手段にはならない
- 経験が少ない若者には不向き
- 人間は一旦、ある人柄を形成すると、その方向に行ってしまう
- 楔
- 第2回 幸福とは何か
- 人間のあらゆる行為は何らかの善を目指している:ここで言う善は価値に近い
- 道徳的善:道徳的に良いもの
- 有用的善:役に立つ
- 快楽的善:快楽を与えてくれるもの
- 理性:人間が人間である為の機能
- バランスを取る
- 理性を上手く活用する事で本能などがより良い仕方で花開いていく
- {快楽的生活、社会的生活、観想的生活}
- 徳: アレテー、卓越性、力量
- 思考の徳(知的徳):教示で身に付く
- 性格の徳(倫理的徳):習慣で身に付く
- 枢要徳{賢慮、勇気、節制、正義}
- 全ての徳が力という観点
- 単なる幸運と幸福は違う
- 人間のあらゆる行為は何らかの善を目指している:ここで言う善は価値に近い
- 第3回「徳」と「悪徳」
- 「徳」:人間が持っている可能性や能力を現実化し充実したあり方ができるようになる。
- 「徳」は生まれつき持っている訳ではない
- 万人が幸福になる可能性を持っている
- 思考の徳と性格の徳
- 思考の徳は人間の知的能力・可能性を育てる事によって身につく
- 性格の徳は習慣によって身につく
- 人柄
- 正しい事を行う事によって正しい人になる。節制〜。勇気〜。
- 「徳」を身に付ける事は技術を身に付ける事と同じ
- 一回の成功体験が二回目の上達につながりやすい
- 徳も繰り返す事によって身につく
- 素早く出来る事、喜びを感じる事
- 「徳」身に付けるにはモデルが必要
- 我々は何かを学ぶ際には常になんらかのモデルに学んでいる
- 善き共同体〜善き個人〜共同体を支える
- 「徳」を身に付ける最初のモデルは親
- 節制ある人、抑制ある人、抑制のない人、放埒な人
- 善い選択肢を選び続ける事によって心が成熟する
- 節制と抑制は違う
- 理性と欲望の葛藤
- 中庸
- 臆病と向こう見ずの両極に挟まれた中庸が勇気
- 中庸とは、まあまあとかほどほどではなく、ど真ん中を射抜く事
- 第4回 "友愛"とは何か
- 「友愛」人と人とを結びつける愛。フィリア
- 一人で生きるのは野獣か神である
- 友愛があれば正義は必要ない
- 愛されるものの三種類: 善いもの。快いもの。有用なもの。
- 善が人と人を結びつける紐帯になる
- 友愛の成立の3条件
- 好意=相手に善を願う、相互性、気付かれている事
- 他者の善を悲しむ:嫉妬
- 3種類の友愛
- 人柄の良さに基づいた友愛、有用性に基づいた友愛、快楽に基づいた友愛
- 有用性、快楽に基づいた友愛は持続性が無い
- 人柄に基づいた友愛は持続的
- 3つの友愛全てが重要
- 有用性のみを重視して動いていくと最終的には有用性まで失われてしまう
- アリストテレスが目指す友愛とは正反対の世の中
- プライベートがSNSの友達で溢れていて仕事の方は効率化のグループ
- 人柄に基づいた友愛が作りにくい
- プライベートがSNSの友達で溢れていて仕事の方は効率化のグループ
- 3つの友愛が複雑に絡まりあいながら相互に改善しながら人間関係は成立している
NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年 5月 [雑誌] (NHKテキスト)
NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』2022年5月