Fulcanelli's blog

読書、神秘学、アニメ、漫画、音楽のメモ・感想、プログラミング のメモ、雑記等

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出口汪現代文講義の実況中継 (1)〜(3) 読了

受験をする訳では無いのだが佐藤優さんの「読書の技法」という本で紹介されていたので読んだ。

《自分の主張を捨てる》
《客観的にあるがままに文章をつかむ》

という点については、
老子 第24章「自ら見るものは明かならず」 第22章「自ら見ず、故に明かなり」と同じ事かもしれないと思った。

問題に藤沢令夫、小林秀雄 等が使われているので哲学等に関心のある方にもお勧め
だと思う。
文化論と文明論の話や日本の翻訳文化、漱石と鴎外の対比についても良かった。


出口汪現代文講義の実況中継(1) 実況中継シリーズ


出口汪現代文講義の実況中継(2) 実況中継シリーズ


出口汪現代文講義の実況中継(3) 実況中継シリーズ

後藤卓也「木綿のハンカチ」

5月15日は『響け!ユーフォニアム』の登場人物 後藤卓也さんのお誕生日という事で、後藤先輩というと『響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話』に収録されている「木綿のハンカチ」を思い出す。

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響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部のホントの話 (宝島社文庫)


100分de名著 『ニコマコス倫理学』アリストテレス 全話 視聴

Eテレで視聴。

解説は山本芳久さん。

100分de名著は解りやすく、「ニコマコス倫理学」を読む入り口にはなると思う。毎回メモを取りながら視聴した。

第4回の「友愛」については参考になった。世間では案外《有用性に基づいた友愛》が多いのでは無いだろうか?趣味で繋がっている関係は、《快楽に基づいた友愛》と《有用性に基づいた友愛》が絡み合っているような感じがする。

メモ

  • 第1回 倫理学とは何か
    • 義務論的倫理学 カント
    • 幸福論的倫理学 アリストテレス
    • 皆が目指す善
    • 最終的な目的は幸福
    • 目的の連鎖 目的→手段
    • 「幸福になる」という事は手段にはならない
    • 経験が少ない若者には不向き
    • 人間は一旦、ある人柄を形成すると、その方向に行ってしまう
  • 第2回 幸福とは何か
    • 人間のあらゆる行為は何らかの善を目指している:ここで言う善は価値に近い
      • 道徳的善:道徳的に良いもの
      • 有用的善:役に立つ
      • 快楽的善:快楽を与えてくれるもの
    • 理性:人間が人間である為の機能
      • バランスを取る
    • 理性を上手く活用する事で本能などがより良い仕方で花開いていく
    • {快楽的生活、社会的生活、観想的生活}
    • 徳: アレテー、卓越性、力量
      • 思考の徳(知的徳):教示で身に付く
      • 性格の徳(倫理的徳):習慣で身に付く
    • 枢要徳{賢慮、勇気、節制、正義}
    • 全ての徳が力という観点
    • 単なる幸運と幸福は違う
  • 第3回「徳」と「悪徳」
    • 「徳」:人間が持っている可能性や能力を現実化し充実したあり方ができるようになる。
    • 「徳」は生まれつき持っている訳ではない
    • 万人が幸福になる可能性を持っている
    • 思考の徳と性格の徳
      • 思考の徳は人間の知的能力・可能性を育てる事によって身につく
      • 性格の徳は習慣によって身につく
        • 人柄
    • 正しい事を行う事によって正しい人になる。節制〜。勇気〜。
    • 「徳」を身に付ける事は技術を身に付ける事と同じ
    • 一回の成功体験が二回目の上達につながりやすい
    • 徳も繰り返す事によって身につく
    • 素早く出来る事、喜びを感じる事
    • 「徳」身に付けるにはモデルが必要
      • 我々は何かを学ぶ際には常になんらかのモデルに学んでいる
      • 善き共同体〜善き個人〜共同体を支える
      • 「徳」を身に付ける最初のモデルは親
    • 節制ある人、抑制ある人、抑制のない人、放埒な人
      • 善い選択肢を選び続ける事によって心が成熟する
      • 節制と抑制は違う
      • 理性と欲望の葛藤
    • 中庸
      • 臆病と向こう見ずの両極に挟まれた中庸が勇気
      • 中庸とは、まあまあとかほどほどではなく、ど真ん中を射抜く事
  • 第4回 "友愛"とは何か
    • 「友愛」人と人とを結びつける愛。フィリア
    • 一人で生きるのは野獣か神である
    • 友愛があれば正義は必要ない
    • 愛されるものの三種類: 善いもの。快いもの。有用なもの。
    • 善が人と人を結びつける紐帯になる
    • 友愛の成立の3条件
      • 好意=相手に善を願う、相互性、気付かれている事
      • 他者の善を悲しむ:嫉妬
    • 3種類の友愛
      • 人柄の良さに基づいた友愛、有用性に基づいた友愛、快楽に基づいた友愛
      • 有用性、快楽に基づいた友愛は持続性が無い
      • 人柄に基づいた友愛は持続的
      • 3つの友愛全てが重要
    • 有用性のみを重視して動いていくと最終的には有用性まで失われてしまう
    • アリストテレスが目指す友愛とは正反対の世の中
      • プライベートがSNSの友達で溢れていて仕事の方は効率化のグループ
        • 人柄に基づいた友愛が作りにくい
    • 3つの友愛が複雑に絡まりあいながら相互に改善しながら人間関係は成立している


NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2022年 5月 [雑誌] (NHKテキスト)


アリストテレス ニコマコス倫理学 上 (岩波文庫)


アリストテレス ニコマコス倫理学 下 (岩波文庫)


NHK 100分 de 名著 アリストテレス『ニコマコス倫理学』2022年5月


高坂麗奈「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」1

5月15日は「響け!ユーフォニアム」シリーズの高坂麗奈さんのお誕生日という事で「響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」の電子書籍を《麗奈》で検索しながら拾い読みしてみた。第一巻は麗奈で始まって麗奈が中心で動いている事を再認識した。

メモ

  • プロローグの最後に久美子は中学生最後のコンクールの事を考えると麗奈の瞳を思い出し無性にあの夏から逃げたくなるといった事が書かれている
    • 「本気で全国に行けると思っていたの?」
    • 久美子はダメ金で満足していたが本気で全国を目指していた麗奈は悔しかった
  • 麗奈はもっと上の高校に入れたはずだが何故か北宇治に。黒曜石のような瞳
  • 久美子が楽器を選びに楽器室に行く途中で麗奈と会い、麗奈は高校でもユーフォ?と久美子に聞いている
  • 滝先生の「なんですか?コレ」の後の部員の滝先生への不満な空気の中で麗奈は怒りに燃えていた
    • その後で久美子と秀一と麗奈のシーン
  • 麗奈が滝先生を見ている描写が所々に
  • サンフェスの時、これから、立華高校という時に麗奈がトランペットのチューニング。周りは吹くのを止める。
    • アニメと違って立華の演奏中では無い。優子の台詞も無し
  • ソロパートをオーディションで決める事が発表された時の香織の不安な感じ(麗奈を見て)
  • 麗奈はいつでも他人と距離を取っていた。
    • 特定の誰かと一緒にいる事を嫌っている節がある。
  • 麗奈は宇治上神社が好き。宇治上神社には渋さ、大人の魅力がある
  • 大吉山を登るシーン。原作では楽器は持ってきていない
  • 麗奈は祭りの明るさ、ごちゃごちゃした眩しさが苦手、鬱陶しく感じている
  • 大吉山のシーン。麗奈は特別になりたくてトランペットをやっている。久美子が小学校の時に吹部に入ったのは姉への憧れから
  • 久美子が教室に忘れた財布を滝先生と一緒に取りに行くシーン
    • 久美子は滝先生にプロローグと同じ問い「本気で全国に行けると思っているんですか?」
    • 滝先生は本気で全国に行けると思っている: 麗奈と一致
  • ソロの再オーディションの後のシーンにプロローグで久美子が麗奈から目を逸らした理由が書かれている
    • あの時、久美子は頑張っていなかった。涙する程の場所に到達していなかった。


響け! ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ (宝島社文庫)

100分de名著 ハイデガー「存在と時間」全話視聴

高校1年の時の「倫理社会」の授業の「実存主義」の辺りで教科書にハイデガーは載っていないのに教科の先生がハイデガーについて板書していてノートを取った事だけ憶えている。そのノートは手元に残っていないので、どのような内容だったかは解らない。ハイデガーについては、その後も気になっていて「存在と時間」に挑戦してみた事もあるのだが難解で、とりあえず通読だけしたような憶えがある。
Eテレで「100分de名著 ハイデガー「存在と時間」」が放送されていたので全話視聴してみたら、解りやすかったので、「存在と時間」に再度挑戦してみようと思っている。

メモ

  • Eテレ 戸谷洋志さん

第一回 存在とは何か?

  • 1927 「存在と時間」
  • キーワード 「責任」
  • 既存の西洋哲学を真っ向から批判し問題提起
  • 存在を巡る問題はあらゆる学問の基礎を考えるのに重要な問題
  • 瞬間だけでは存在は理解出来ない。例えば過去
  • 存在の意味を新たに設定する
  • 存在しているモノと存在は違う
  • 〜がある。〜は存在者、「ある」は存在(ザイン)
  • 現存在
  • 人間はどうやって自分を理解しているのか?
  • あなたは何者か?{1.本来性、2.非本来性}
    • 全ての人間が日常では非本来性
    • 責任の問題に繋がる
  • 何かの傍にとどまるもの
  • 世界、暮らしの場、世界内存在
    • 世界が重なる。空気

第2回 「不安」からの逃避

  • 世人: 非本来的な的な生き方をもたらす
    • 世間、空気に近い
    • 無責任、同調圧力
    • 世人が考えるように考える
    • 世人が日常性の存在様式を定めている
  • 現存在(人間)は日常において自分を自分でないものとして理解する
    • 非本来性
  • 何処かから借りてきたもので自分を規制している
  • みんなが作品をどう評価しているか?と言う事を気にしているに過ぎない
    • 「空気など読まずに生きる」「群衆に迎合する事なく我が道を行く」(自由人)と言っている人もまた世人に飲み込まれている
      • 型破りな事が出来るのは型が解っているから
  • 頽落(たいらく)
    • [世間話、好奇心、曖昧さ]
    • 退廃に近い意味
  • 人間は日常的に非本来的にしか生きられない
  • 責任の不在が暴力と結びつく典型的な例がいじめ
    • 「責任は自分にそうさせた世人にある」と言うロジックが働き自分を正当化
  • アイヒマンの無責任
  • インターネット上の誹謗中傷
    • 「みんなに便乗しただけ」という無責任さが潜んでいる
  • 「恐怖」と「不安」の違い
    • 「恐怖」には対象があるが「不安」には明確な対象や理由が無い
  • 世人に同調すれば安心できるが、それは真の安らぎでは無い
  • ハイデガーが安らぎの反対(対義語)として捉えているのは不安ではなく世人の中に飲み込まれていく事
  • 世界内存在(自分)が不安の源泉

第3回 本来性を取り戻す

  • 自分の死は誰とも交換出来ない
  • 死と向き合う事によって自分を唯一無二の存在として理解する
  • 死は確実にやってくるが何時か解らない
  • 先駆
  • 災害に直面した時
  • 良心の呼び声
    • 私には別の生き方もできたはずだ。私は別の存在でもありえたはずだ。
    • 良心はひたすら黙しながら呼びかける
      • 具体的な手がかりは何も語ってくれない
  • 本来的な自己
  • 決意性
    • 鎖を断ち切る、鎖から解放される
  • 意志
  • 先駆的決意性
  • 自分の人生を自分の人生として引き受ける
  • 「引き受ける」とは他人のせいにしない事
  • 不安の中で生きていたいと思うのが決意性
  • 負い目ある存在可能:私が私であるという事を負う
  • 未来に向けて過去を引き受ける
  • 「存在とは何か」という議論がこれから始まりそうだと予感させるところで「存在と時間」は終わってしまっている
  • 未完成な本によって、その後の哲学の行く末を完全に決定

第4回「存在と時間」を超えて 視聴

  • 「存在と時間」が刊行された当時のドイツの話
  • 1933年4月 フライブルク大学の総長に就任
    • 5月17日「ドイツ的大学の自己主張」
  • ハイデガーの目的は哲学的理想の実現
    • 自分が属している民族や国家のさだめを理解する事によって学問の本質に迫る
  • 1933年4月 フライブルク大学の総長を辞任
  • 1976年 他界
  • 弟子達によるハイデガー批判
    • ハンナ・アーレント
      • 「存在と時間」の他者との関係を批判
      • ハイデガーは全ての他者を「世人」として一括りにしてしまった
      • 「存在と時間」は「原子化された自己」(孤独)が人間らしい生き方としている
      • 応答
        • 複数性
        • 共通感覚
      • 「私」とは他者と関わりあう、語りあう事で明らかになる
    • ハンス・ヨナス
      • ハイデガーの「決意性」を批判
      • 良心は私にとって何が正しいか?間違っている事か?を教えてはくれない
      • 「存在と時間」は倫理の視点が欠けている
      • 応答
        • 責任とは他者の生命を守る事
    • ハイデガーは流されない弟子を育てた
  • 本来性を取り戻した現存在がどのように他者と関わるか?


NHK 100分 de 名著 ハイデガー『存在と時間』 2022年 4月 [雑誌] (NHKテキスト)

中公クラシックス 存在と時間I